まるで新築みたい。祖父が建てた納屋が素敵な住まいに大変身!
今回、母屋の隣に建つ納屋(元農機具小屋)を改築し、結婚される息子さん達の新居にリフォームすることになりました。「解体して新築に」というプランもありましたが、「先祖から預かった家なのでできればリフォームしたい」という想いが強く、今回の全面リフォームにつながりました。使用されている木材は、すべて施主様所有の山林から切り出されたもので、大きさ・材木種とも、とても品質の良いものでした。
解体前の納屋の様子です。内部の柱や壁の損傷はひどく、一部シロアリの被害も確認されていたため、構造体にそれなりの処置を施さなければなりません。
そこで、基礎から屋根を含めた全面リフォームをご提案し、間取りを決め、いよいよ解体工事が始まりました。家の裏側には朽ちかけた土蔵もあり、まずその土蔵を解体してから本体内部の解体となりました。
家の構造体を残したまま基礎工事を行うために、日本伝統の「曳家」工法を用い、家を持ち上げました。基礎工事が終わるまで持ち上げていなければならないため、屋根瓦はそのままの状態にし、基礎工事が終わり家を下ろした段階で葺き替えることといたしました。
基礎工事施工のため、地上から1.5m程度の高さまで持ち上げ、柱の根元と鉄骨を縛り補強をしています。
基礎工事は断熱工法を用いました。国道沿いの立地のため、防音性、断熱性に優れた住まいにする必要があったことと、奥様がとても冷え性のためできるだけ暖かくなるようにしたいということでした。この「タイトモールド」という基礎断熱は、特殊な発砲スチロールを基礎の型枠替わりに使用し、コンクリート打設後も一体となって断熱性能を高めるというものです。また、冬暖かく夏涼しい「地熱」を有効活用するため、光熱費が非常に軽減できる優れた工法です。
基礎工事完了後、持ち上げていた家本体を降ろし、耐震補強工事を行っています。写真で確認できるような耐震補強金物を駆使し、強度を高めています。
また、既存建物の中には一切使われていなかった筋交いを、できるだけ多く施工しています。
今回のリフォームの大きなポイントのひとつだった「防音性を高める事」。そのために採用したのが、壁と屋根の断熱材にセルロースファイバーという断熱材です。
セルロースファイバーの吹き込み施工は、専用機械を使用し、専門の講習を受けた熟練工が行います。
↓【動画】セルロースファイバーの施工状況です↓
こんな感じだった解体前の内部は・・・
基礎と構造と断熱を一からリフォームし、こんな感じになりました。
できあがりは・・・
代々受け継いで来られた大切な住まいが、断熱基礎と耐震補強と防音断熱を施し、内部には漆喰壁と無垢フローリングで、素敵な住まいに生まれ変わりました。